「沙羅・・さん!」
昼下がりの午後、暑かった夏も終わるのか時折細く優しい風邪が頬に当たるのが心地よい。
午後からの訓練も、すでに始まっている。
ここにいる沙羅とローラ以外は。
「なあに?」
ローラの、何か聞きたそうな好奇心のまなざしがなんとなく沙羅の心に引っかかった。
雅人と常に一緒にいるせいだろうか。
その瞳が雅人を連想させていた。
(好きになると、相手に似てくるって本当なんだね)
「・・・おにいちゃんと何か・・・あった?」
「・・・・・・どうして?」
「おにいちゃん、なんか嬉しそうだし。」
あのバカ。
ローラにばれてるってコトは、あいつ等に気づかれるのも時間の問題だね。
沙羅はため息を一つ飲み込んだ。
ローラは沙羅の隣に並んでフェンス越しに見える訓練生の姿をぼんやりと見つめた。
「沙羅さんは・・・おにいちゃんが好き?」
ぎょ!
気づかれなかったかな?
「好き」という言葉に、身体の反応が無かったかを確認。
うん、大丈夫。
「さぁ、どうかしら。」
曖昧に答えるのは、キチンと付き合い始めたといえるのかどうかの二人の関係と、自分でもどーして忍と付き合いだしたのかが未だに不明なのと、・・・本当はとっくに忍に心が傾いていた事への反発。
あとは、ただ恥ずかしいほどの、忍への今までの仕打ち。
そして・・・・・・昨夜の出来事。
強い日差しの中に、時折冷たい風。
「沙羅さん」
「なあに?」
「・・・おにいちゃんと別れて。」
あたしはゆっくりとローラをみた。
「沙羅さんは別に好きな人がいたんでしょ。
おにいちゃんが沙羅さんを好きな事ぐらいみんな気づいてた。
わたしなんか、妹としか見てくれないことも。
だから、雅人の傍を選んだの。」
「・・・・・・」
「私がさきに好きになったの。
・・・・・・忍を取らないで。」
「取らないよ。」
「っ!」
「きっとあたしでも無理かもね。あいつの一番好きにはなれない。
あいつは空しか見てないからね。」
「・・・・・・」
「昔、あたしの心の中には消せない男がいた。
どんなに傷ついても、・・・死んでも、心のなかの男は消える事は無かった。
どんなに時間がたっても心のなかの男は消えない。」
「・・・・・・」
「でもね、あたしの気持ちを全部わかっててて、受け止めて、新しい恋を教えてくれたのはあいつなの。
あたし、忍が好きだよ。」
「・・・・・・」
「こんなあたしでも、慕ってくれるローラも好きよ。
ローラの中の忍は、きっとあたしでも消す事はできない。
・・・・・・もし本当に別れて欲しいなら・・・別れてもいいよ。
でも、あたしの中の、好きはもう消す事はできない。
・・・
・・・
気づいちゃったからね。」
「私も、沙羅さんが好き。おにいちゃんはもっと好きだけど。」
「ありがとう」
「よかった、ちゃんと沙羅さんがお兄ちゃんを好きで。
あんまりにもおにいちゃんの機嫌がいいから、ちょっとやきもちやいて、意地悪してみたかったの。
ごめんなさい。」
「うん、知ってた。」
「・・・バレバレかぁ。」
「私もね、ちゃんと雅人が好き。」
「うん。」
「たまーに、浮気してるみたいだけどね。」
(・・・雅人、バレてるわよ・・・)
「私が浮気するときは・・・おにいちゃんにしようかな?」
「えっ?」
ふふ、とローラが笑った。
態度にでてしまったコトを後悔したが、相手がローラなので沙羅は仕方なく肩を落とした。
「用心しなきゃね。」
「そーゆうこと。」
二人は軽く笑いあった。
忙しいのにもかかわらず、ポチを覗いてくれてありがとう
最近やっとこ萌えを取り戻しつつ、慣れるために未熟な駄文を披露しまくってます
反応がいただけて嬉しいわ
続き・・・といっても何処のどれかは自分でもわからずじまいだったりしますが、こんな調子で続いてるんだか続いてないんだかをボロボロ出していくつもりです。
また暇な時間は覗いてやってくださいね
コメント、ありがとうございまーっす!
私の中でローラは意外におませキャラなので、かなりツボでした!
そしてローラにまるわかりなぐらいご機嫌になっちゃう忍くんカワイイww一体なにがあったんでしょう…///
沙羅とローラは唯一の女性ペアですよね。
キャラ数がすくないDANではローラも欠かせないといつも思っております。
ってか、ローラはもともと忍を頼って(?)基地にやって来ているので忍が初恋なのでは?と考えております。
初恋は実らない・・・でも成長したらローラは結構美人になりそうだし、忍好みのロングヘアーだし?少しくらいはドキってするかも!
もしかしたら結構ボインな女の子になるかもだし?
とか考えると結構妄想できそうですよね?(笑)
次回はボインなローラに迫ってもらうのもアリかもね!
(すいません、妄想がとまりません)
コメント、ありがとうございました!