「何か飲むか」
「・・・・・・いい」
酔った勢いとかの言い訳は作りたくなかった。
作ってもほしくなかった。
忍の部屋には何もなく、脱ぎ捨てたシャツが数枚イスに投げかけてあるだけだった。
きっと、荷物なんてろくになかったのかもしれない。あいつらしい、そう思いながら振り向くと上着を脱ぎ始めた忍と目が合った。
「な、」
「俺寝るとき下だけなんだよ」
「だ、だからって、」
「ああ、安心しろよ。そんなガチガチのお前に手なんかださねーよ」
「・・・・・・」
「俺はイスで寝るから、お前は」
「あ、あたしがそんなコト頼んだ?」
「あ?」
「この部屋入るのに、(ううん、もっと前、)あんたに声かけるのに、どんだけの勇気をだしたと思ってるのさ!?」
「・・・・・・なら、いいのかよ?俺だってただ腕に抱いてるだけで手をださねーって約束はできねぇぜ?」
「・・・・・・いいよ、」
「、そうかよ」
忍は怒ったようにベッドに入り、横になってシーツを半分持ち上げた。
「ほら、こいよ」
すでに先ほどまでの雰囲気とは違い、まるで戦闘状態のようだ。
ふふ、ふふふ。
「・・・・・・何笑ってるんだよ!」
睨みの効いた目が突き刺す。
でも、そんな目でさえ、懐かしく・・・・・・嬉しく思うあたしは、きっともう落ちてるのかもしれない。
「あんたって、成長してないわね」
「お前に言われたかねーよ。いつまでも昔の・・・・・・・・・・・・ワリぃ、」
言葉の続きはあの男のコト。
でも気を使ってくれてるのはわかる。
不器用だけど。
ほんと不器用。
あたしもあんたも。
きっと二人で一人前にもならないかも。
でも、それもいいか。
沙羅はため息一つ大きくついた。
「ほら、もっと端行ってよ、狭いじゃない」
大きくベッドがきしむ音がする。
「今日は一緒に寝てあげるから、おとなしく寝るのよ?」
「・・・・・・(ため息が髪を通して暖かく降りかかる)お前なぁ、」
ちぇっと舌を打つ声をもらしつつ、優しく抱きしめられるように太い腕に抱かれる。
もしかしたら、何かしてくるかもしれない。
もしかしたら、やっぱり何もないかもしれない。
そんなドキドキしながら寝るのもいい。
その先になにがあっても、忍なら・・・・・・。
トントン、キーーン
「忍、起きてる?沙羅がいないんだけど知ってる?」
「!」
「!・・・・・・お邪魔しました」
「ちがっ!・・・・・・雅人!」
沙羅は慌てて上半身を起こすが、目的の男はすでにドアをキチンと閉めて行ってしまった。
「ちょ、ちょっと忍、起きて!」
「ん、・・・・・・なんだよ?まだ寝たばっかりだぜ?・・・ふぁ・ぁ・・」
「アンタ、こんなときになんで寝れるの!?ちょっとちゃんと起きてよ!」
ペチペチと頬を叩かれ、やっと目が覚める。
「雅人に見られちゃったのよ!!」
「何を?」
「(もぅ!)あたしがココにいることよ!」
「・・・・・・雅人なら大丈夫だろ?」
「何言ってるのよ!基地一番のおしゃべり男に見られたのよ!」
「明日いわねーようにいっとくから寝ろよ」
「寝られるわけないでしょ!」
「・・・・・・なんだよ、俺との噂はそんなに嫌かよ」
「そうじゃなくて!」
「早くねねーと、マジで襲うぞ」
Are you ready?
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やっぱり書き直したい
雅人、まだ冷凍のままだったのにねぇ・・・爆。